ウェイトトレーニングにおいて「グリップ(握り方)」は見落とされがちですが、現場ではパフォーマンスやケガ予防を大きく左右する重要な要素です。
本記事では、ストレングス&コンディショニングの現場で実際に指導している内容をベースに、初心者から上級者まで活用できるグリップの基本と応用を解説します。
🟩なぜグリップが重要なのか(現場視点)
現場でよくあるのが👇
「筋力はあるのに重量が伸びない」ケースです。
👉 原因の多くがグリップ
現場での具体例
・デッドリフトで手が先に限界
・ベンチプレスでバーが不安定
・前腕ばかり疲れる
👉 グリップを修正するだけで改善することが多い
🟩基本はクローズドグリップ(親指あり)
当社の現場では、全クライアントにまずこれを徹底させます。
■ 指導ポイント(実務)
・親指を必ず巻く
・「握る」より「ロックする」意識
・小指側で圧をかける
👉 これだけで安定性が大きく変わる
🟩手の向きで狙いを変える
▶ 順手(オーバーハンド)
現場での使い方
・背中を狙う日は基本これ
・懸垂・ロウで使用
👉 背中に入りやすい
▶ 逆手(アンダーハンド)
現場での使い方
・腕を強調したい時
・チンアップで使用
👉 初心者はフォーム習得にも有効
🟩デッドリフトで重量を伸ばすなら
▶ ミックス(オルタネイト)グリップ
現場での使い方
・高重量(MAX付近)のみ使用
・普段は順手でトレーニング
注意
・左右差が出る
👉 セットごとに持ち替えさせる
🟩オープングリップ(サムレスグリップ)は使うべきか?
結論👇
基本的には使わせません
理由(現場判断)
・バーが滑り落ちるリスク大
・重大事故(胸・顔への落下)の報告あり
🟩上級者のみ|フックグリップ
現場での使い方
・オリンピックリフティングのみ
・一般トレーニーには基本不要
指導ポイント
・最初は軽重量で慣らす
・痛みは「慣れる」と説明
🟩現場で実際にやっている指導フロー
① まずクローズドグリップを徹底
② 手の向きを目的別に使い分け
③ 必要ならミックス導入
④ 上級者のみフック
👉 この順番が一番安全で効果的
🟩まとめ
・グリップはパフォーマンスの土台
・基本はクローズドグリップ
・目的に応じて使い分ける
👉 「なんとなく握る」は卒業
📚 掲載用|著者・出典・参考文献
■ 出典(Source)
本記事は、以下の文献をもとに要約・解説しています。
Kraemer, W.J., & Nitka, M.
The Grip
Strength and Conditioning Journal, Volume 47, Issue 1, pp.114–117
■ 著者(Authors)
・William J. Kraemer, PhD, CSCS*D, FNSCA
(オハイオ州立大学 人間科学・アスレティクス部門)
・Mike Nitka, MS, CSCSD, RSCCE, FNSCA*E
(Muskego High School/Carroll University)
■ 参考文献(References)
- De Luca CJ, Contessa P.
Hierarchical control of motor units in voluntary contractions.
J Neurophysiol 107:178–195, 2012. - Richards LG, Olson B, Palmiter-Thomas P.
How forearm position affects grip strength.
Am J Occup Ther 50:133–138, 1996. - Takano B.
Personal communication(ウエイトリフティングにおけるフックグリップの見解) - Tanzarella S, et al.
Synergistic organization of neural inputs…
J Neurosci 41:6878–6891, 2021. - Zhang N, et al.
Multiplex recurrence network analysis…
IEEE Trans Neural Syst Rehabil Eng 29:2055–2066, 2021.
本記事は学術文献をもとに、一般読者向けに再構成したものです。トレーニング実施の際は専門家の指導のもと安全に行ってください。

